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フランチェスコの今日の一品

シチリア郷土料理

マッコ・ディ・ファヴェ

三つの材料だけで作れる、シチリアの代表的な郷土料理、「そら豆のマッコ」をご紹介します。
今回はレシピ付きです!

シチリア島の代表的な郷土料理。シチリア語では「maccu di favi」と呼ばれ、イタリア語では「macco di fave」です。カラブリア州やプーリア州でもよく食べます。

昔は、農産物を納めた百姓に地主がふるまっていた「お疲れ様」料理でしたが、
今はイタリア政府認定の「伝統的な料理」とされています。

食材は実にシンプル。
そら豆に玉ねぎのみ。シチリアならフィノッキエット(ディルのようなハーブ)で香りを付けます。
生のディルは日本のスーパーでも手に入りますが、無ければフェンネルシード、もしくはセロリやニンジンを使っても大丈夫です。
お好みでニンニク入れることもできます。

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生のそら豆が出回る時期には、それを使ってきれいな緑色のスープができますが、
乾燥ソラマメから作ることが多いです。イタリアでは殻剥き状態で販売されていますが、
日本だと殻つきものも多いので、その場合は数時間常温の水につけて殻を剥いて下さい。
殻なしなら、水につけなくても大丈夫ですが、豆が少し古くなったなと思ったら、数時間水につけることをお勧めします。

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そら豆は紀元前6000年以前から栽培された古代穀物の一つで、レンズ豆やひよこ豆と並んで
古代ペルシア、エジプト、ギリシャ、ローマでは食卓に欠かせない穀物でした。

つぶしたそら豆の料理は紀元前405年、ギリシャの喜劇作家アリストファネスの作品「蛙」に、
ヘラクレスが体力をつけるために食べた奇跡の食べ物として登場します。
似たようなそら豆料理は古代ローマの平民や兵士の主食でもありました。
また、中東料理で有名なファラフェルの原料でもあります。
ビタミンB9(葉酸)は豊富に含まれ、ほかにマンガン、リン、マグネシウム、鉄も多く含まれています。

さて、蘊蓄はここまで。作り方が簡単で、食材も日本でも手に入り、その上に栄養満点で季節を問わない料理ですから、今回特別に作り方をご紹介したいと思います。


◎4人分
・そら豆 250グラム
・玉ねぎ 1個
・生ディル 1パック(1.5パックでも)

 ※乾燥ディル、フェンエルシード、セロリ+ニンジンも代わりに使えます。

①鍋にEVO(エクストラヴァージン・オリーブオイル)を引いて、細切りにした玉ねぎを入れます。
※④で使う熱湯を用意しておきます。

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②玉ねぎを油になじませたら、切った生ディルも加えます。
※セロリやニンジンを使う場合もこの段階に入れます。

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③そら豆を加えてよく混ぜます。

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④お湯と塩を加えて約1時間弱火で煮込みます。ソラマメは自然に煮崩れていきます。

※下の写真は1時間経過の状態です。

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⑤火を止めて、ブレンダーを使って豆をピュレ状態にします。
※昔はスプーンやすり棒などを使って豆を滑らかなピュレ状にしていました。
その動作は「maccare マッカーレ」と言っていましたので、この手の料理は「macco マッコ」と呼ばれるようになりました。

⑥再度火をつけて、濃厚なピュレになるまで、時々かき混ぜながら約20分煮続けます。最後に塩で味を調えます。

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イタリアではよくパスタを加えます。

パスタは別途お湯でゆでてからマッコに入れてよく混ぜます。
折れたスパゲッティやリングイーネを使えばイタリアのマンマの味!
昔は、折れたパスタや余り物のパスタを取っておいて、スープに入れるのが家庭では普通でした。

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最後に、品質の高いエキストラバージンのオリーブオイルと薫り高い胡椒をかければ完成。
常温でもおいしいので夏でもどうぞ。

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また、余ったマッコを四角いタッパーに入れて一晩冷蔵庫の中で寝かせます。
翌日固まったマッコをスティック状したり、スライスしてEVOで揚げると前菜になります。
少ない食材で美味しくて健康的な料理、ぜひ試してみてください。
Buon appetito!