「荷車引きのスパゲッティ」、「鯖缶のスパゲッティ」に続く揚げパン粉を使ったパスタシリーズ第3弾。
今回は食材の数を最低限にし、パスタの質にこだわっていただきたいです。
皆さんが、イタリア旅行のお土産で買ってきたちょっと高めのパスタがおうちにあれば出番かもしれません。
パスタはどれも同じというわけではありません。デュラム小麦のセモリナと水だけでできているシンプルな食料品ですが、原料となるデュラム小麦の質もピンからキリまであります。また、作り方、製造環境、使用されている道具などが、すべてパスタの質に影響します。
長い話を短くしますと、パスタを乾燥させるときは、低温で長時間をかけると高品質のパスタができます。
また、生地を特定の形にするために使う部品、ダイスが銅製のものであれば、パスタの表面に独特のざらざらなテキスチャーができて、ソースとの絡みがよくなります。
表面つるつるで黄色っぽいパスタは、テフロン加工のダイスを通し、高温で短期間に乾燥させた商品です。
イタリアのスーパーで普段手に入れる、いわゆる「量産パスタメーカー」の中にも、質の高いものがありますが、なんといっても、グラニャーノのパスタ Pasta di Gragnanoは別格。モデナのバルサミコ酢と同様に、グラニャーノで作られたパスタのみが、イタリアで唯一IGP(保護地理的表示)認定を受けているパスタです。
本物のグラニャーノのパスタであれば、IGPのロゴとグラニャーノパスタ工場協会のマークが記載されている。
協会のマークには「Gragnano Citta' della pasta グラニャーノ・パスタの町」と書いてある。
ちなみに、IGP認定は2013年から。
うちにあったパスタは合格のよう。ざらざらとした表面も確認できる。
ソースとの絡み合い、乳化に必要なでんぷんの秘密はここにある。
グラニャーノのスパゲッティやリングイーネという長いパスタの場合、独特の折り目がある。
それは、昔、パスタは町のメイン通りで横棒にかけて潮風を受けながらじっくり天日干しされていたため。
今は乾燥工程は室内で行われるが、横棒にかけるやり方が変わっていないため、パスタの形はそのまま。
二本の麺がつながっているようなものなので、茹でる前に、二つに折っておこう。
photo: © Giuseppe Di Martino
◎食材 2人前
・リングイーネもしくはスパゲッティ 160gr
・アンチョビ 3尾
・生唐辛子(赤 or 青)
・無農薬レモン 1/2個
・生タイム(なくても大丈夫)
・エキストラバージン・オリーブ・オイル
・揚げパン粉
①まずは揚げパン粉を作る。
作り方はこのリンクをご参考ください
https://www.casa-brusa.com/blog/65c166568e2
※揚げパン粉をタッパーに入れて数日常温で保管できる。
②パスタをゆで始める。
③EVOを引いたフライパンに、荒く切った唐辛子とアンチョビを投入して火をつける。
④弱火で優しく温めて、アンチョビを溶かす。
⑤ゆで汁を加えて弱火でソースを温め続ける。最後におろし金を使ってレモンの皮を少しフライパンに加える。
⑥ゆであがり時間3分前にパスタをなべから引き上げて、フライパンに投入。
ゆで汁とEVOを加えて、フライパンをゆすってソースを乳化をさせる。
⑦グラニャーノのパスタなら、でんぷんがたくさん出るので、仕上げはクリーミ。
⑧お皿に盛りつける際、EVOと揚げパン粉とタイムの葉っぱとさらなるレモンの皮をかけたら出来上がり。
Buon appetito!
All photos: © Francesco Prandoni unless otherwise indicated